処分方法

春に余ってしまった灯油を安全に処分する方法!誤った捨て方は危険!

灯油の残っているポリタンク

秋から冬にかけて大活躍してくれたストーブやファンヒーターですが、春を迎える前には余らない程度の灯油を買おうと思うものですね。けれども、思うようにいかずに春になっても使い切れないまま残ってしまうことがあります。自治体で回収していないので、灯油はいったいどのような方法で処分すれば良いのでしょうか?

この記事で分かること!

  • 間違った灯油の処分は火災や爆発の危険あり!
  • 安全に灯油を処分してもらえるのは、購入店または不用品回収業者!
  • 少量だけ残った灯油は賢く使い切ろう!

この記事を読んでもらうと、余った灯油の処分を安全に行えるようになります。少量なら使い切ってしまうのが理想的ですが、大量に残ってしまった場合にどこで処分したら良いのかが把握できているとそれほど悩まずに済みます。灯油の性質を正しく理解した上で適切な処分を進めていってください。

誤った灯油の処分は危険

危険

春に余ってしまった灯油を自己判断で処分したくて、中にはサラダ油と同じやり方で処分を安易にしてしまう方がいるかもしれません。

  • 少量ではない灯油を布切れや古紙に吸わせて、自治体のゴミ回収日に出す
  • サラダ油の容器に残った灯油を入れて不燃ゴミの日に出す

これらの処分は誤った方法なのでしないようにしましょう。灯油の引火点は、37度~65度と極端に低く火災の可能性があるため安易な処分はできません。

灯油を布切れなどに吸い込ませてゴミ袋に入れて出している最中に、灯油が気化して何らかの火種になる原因があった時には発火する可能性があります。特に、ゴミステーションは燃えやすいものがたくさん置かれているので、火災の危険性がさらに高くなると考えられます。灯油の誤った処分は、絶対にしないようにしましょう。

安全に灯油を処分する方法

危険性がある灯油の性質を理解したら「どんな風にして灯油を処分すれば良いのか?」という素朴な疑問が湧いてくるでしょう。ひと言でいえば、購入したところで灯油の処分を依頼すれば問題ありません。

ポリタンクからタンクに給油

灯油の処分は購入店へ依頼する

灯油は、購入したガソリンスタンドやホームセンターへ持参すると処分を依頼できます。自分が灯油を購入する店舗は決まっているのではないでしょうか?利用している店舗なら相談しやすさもあるでしょう。

ガソリンスタンドへ灯油を持参する

灯油を処分したい時、最寄りのフルサービスのガソリンスタンドで処分してもらえます。購入先がフルサービスのガソリンスタンドではない場合には、最寄りで廃油処理ができ店舗を探しておくのがおすすめです。地域により廃油処理の事情が違うので、あらかじめ問い合わせしてから持参するようにしましょう。

費用は、無料・有料のところだと200~400円です。購入店ではない場合でも、廃油処理を受け付けているところも見つけやすいので最寄りで探してみてください。費用も、有料でも数百円で済むのでできれば最寄りで見つける方が手間もかからないでしょう。

ホームセンターへ灯油を持参する

灯油の販売価格が割安に設定されていることから、ホームセンターで購入する方もいます。その場合は、ホームセンターへ持込をしてください。系列のホームセンターですべて灯油を回収しているとは限らないので問い合わせをしておくと確実です。

処理費用が発生するかどうかもかも合わせて事前に確かめておきましょう。

灯油を運ぶのに困るなら不用品回収へ依頼

車を保有していない方、重くて灯油を運ぶのが大変な方はガソリンスタンドやホームセンターの持込もできなくなるでしょう。そのような場合には、不用品回収業者に依頼する方法があります。

ポリタンクに残った灯油だけをわざわざ依頼するのは、業者にとっては返って迷惑になるのではと考える方もいるでしょう。しかし、トラックを複数台稼働させている大手の業者なら最寄りを営業しているトラックを直行させることもできるため、すぐに当日回収に来てくれます。

ただし、灯油だけの回収を依頼すると基本料金や出張費が加算される業者もいるため思いがけなく割高になることも考えられます。あらかじめ、費用を確認しておくようにしてください。
他の不用品をまとめて回収してもらう時に残った灯油も一緒に依頼するとお得に処分ができます。

灯油のこんな処分は絶対にダメ!

断るポーズの女性

灯油の処分で「費用をかけたくない」「重くて運べない」からといって自分勝手な判断で捨てるのは絶対にダメです。灯油は、廃棄物処理法で特別管理廃棄物に指定されています。爆発したり毒性があったり、暮らしに大きな被害を与えてしまう可能性がある廃棄物なのです。正しく処分しないと火災や爆発といった恐ろしい危険性があることを十分認識しておきましょう。

ポリタンクに入ったままゴミに出す

自治体のゴミ回収日に、ポリタンクに灯油が残っているまま出してはいけません。ステーションや収集車での火災や爆発の可能性もあります。少しぐらいなら良いだろうと安易に捨ててしまうのは、こうした危険性を避けるためにもやめましょう。

下水や川に流す

こっそり下水や川に流してしまう方も残念ながら存在しているそうですが、これも非常に危険ですのでやってはいけません。

  • 爆発事故が起きてしまう
  • 川を汚染してしまう
  • 下水処理ができなくなる
  • 近隣に悪臭被害が出る

河川や下水に灯油を捨てた場合には、上記のように重大な被害を引き起こしてしまいます。そのため、捨てた人に対して罰金や修復や清掃の費用の損害賠償まで求められることも理解しておきましょう。

少量の灯油の処分

ファンヒーターからタンクを取り出す

ごく少量の灯油がストーブやファンヒーターの本体に残っていることやポリタンクの底にわずかに残っていることもありますが、このような場合は以下の方法で処分をしましょう。

暖房器具で使い切る・衣類を乾かすのに使う

暖房器具のタンクに灯油を残さないためには、完全になくなるまで使い切るのがおすすめです。暖房器具本体にとっても、来シーズンになったら新しい灯油を入れて使うのが推奨されています。来シーズンまでタンクに入れっぱなしにして暖房器具を仕舞うと、いざ使おうと思った時に点火ができなくなったり煙が出てしまったりすることにもなり兼ねません。

春めいて一気に暖房器具が要らないほどの暖かさになっても、数日後には若葉寒や花冷え、菜種梅雨で洗濯物が乾かない日もあります。こんな時に、暖房器具を使って暖を取ったり洗濯物を乾かしたりするのに使いましょう。

ごく少量なら新聞紙や布にしみ込ませる

それでも暖房器具のタンクの下にごく少量の灯油が残ってしまうことはあります。そんな時は、新聞紙や布にしみ込ませて燃えるゴミとして廃棄しましょう。灯油がしたたり落ちるほどではなくごく少量であれば、この方法で処分できます。

灯油を持ち越しするには保管方法に注意

複数のポリタンク

春までに使い切る量を購入したと思っていても、寒い日があり再度買い足してしまうこともあり得ますね。こんな時は、たとえばポリタンクに灯油が半分以上残っているとしたら来シーズンまで持ち越せないと思われるでしょうが、保管の注意点を守れば持ち越しは可能です。

灯油の保管方法

灯油を持ち越しさせるためには、以下の注意点を守りましょう。

  • ポリタンクに入れて保管する
  • 直射日光を避けて保管する
  • 風通しの良い場所で保管する
  • 屋外での保管を避ける

このような環境が揃った場所なら、灯油は持ち越すこともできます。

持ち越した灯油が使えるかを確認するには?

上記の注意点を守って保管した灯油を、秋が深まる暖房シーズンに使えるかどうかは悩めるところでしょう。そんな時には、前もって確かめるポイントがあります。暖房器具のタンクに灯油を入れる前に確かめておけば安心です。

  • 灯油の臭いが酸っぱい感じがすると酸化が進んでいる
  • 灯油をコップに入れて白い紙を側面において変色していると酸化が進んでいる

逆に、灯油独特の臭いしかしなくて色も無色透明なら持ち越ししたものでも使用できると判断できるようになります。あくまでも持ち越しした灯油の使用は、自己判断だと考えてください。ストーブやファンヒーターのメーカーでは、持ち越しした灯油を使わないように説明書には記載されているからです。持ち越しした灯油を使うことで、暖房器具に故障や支障が出ることがあることも把握しておきましょう。なお、トヨトミでは持ち越しした灯油が使える製品も発売されています。

まとめ

春に余ってしまった灯油は、賢く使いきる方法か購入店や不用品回収業者を利用した方法で処分が完了します。灯油を持ち込む手間がかかったり、業者への費用がかかったりすることを避けようと誤った方法で捨てるのは、多大な危険や被害を引き起こしてしまうので絶対にやめましょう。余った灯油の処分さえわかれば、ストーブやファンヒーターの灯油を使い切ってしまうか、利用しやすい処分方法で回収してもらえば済みます。その時に本体もきれいに掃除をしておけば、寒くなったら次のシーズンにはすぐに正常に使えるようになりますね。