火が燃え広がりそうになりいざという時に初期消火ができる消火器は、頼りになる存在です。ところが、そんな消火器なのに普段は目にも留めず設置してからそのままになっていないでしょうか?使用期限を過ぎた消火器は処分をしなければなりませんが、特殊なものだけに処分に悩む方が多いでしょう。だからと言ってそのまま放置しておけば確実に老朽化して、消火器が思いがけない時に飛散したり漏れてしまったりする可能性もあります。
この記事で分かること!
- 消火器を安心して処分できる方法
- リサイクルシールの購入
- 消火器の耐用年数
- 処分前の注意点
この記事を読んでいただくと、消火器の処分するのに適切で安全な方法がみつかるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
消火器はリサイクルが必要!
消火器の処分は、自治体のゴミ回収は利用できません。消防署でも引き取ってくれるわけでもないのです。実は、消火器はリサイクルシステムに従って地域の販売代理店や指定引取場所へ持込か引取をしてもらわなければならないと決められているのです。その後、必要な資源はまた消火器としてリサイクルされているのはあまり知られていないのではないでしょうか?
2010年以降に製造された消火器には、リサイクルシールがあらかじめ貼られていますので確かめてみましょう。「リサイクルシールがなかったらどうするの?」と思われるでしょうが次の章で詳しく説明していきます。
消火器の標準使用期限とリサイクルシールをチェック!
消火器はリサイクルが必要なものと理解された上で、消火器の使用期限とリサイクルシールの有無を確かめてみましょう。
業務用の耐用年数は10年
消火器メーカーでは、業務用の標準使用期限を10年と定めています。消火器のラベルに「標準使用期限」が記載されているので、まずは確かめておきましょう。
リサイクルシールとは?
2010年以降に販売された消火器には、リサイクルシールが貼られています。これは、購入時に処理費用を払っている証です。国内で販売された消火器は、すべて「新品用リサイクルシール」が貼られていますので、お手持ちの消火器を一度確かめておくと良いでしょう。
リサイクルシールの貼られていない消火器には、「既販品リサイクルシール」を購入して貼ります。貼り方は、ラベルを避けてレバーの下にバーコードが縦になるようにはります。埃や汚れ・錆がある場合には剥がれないようにするため、接着面をきれいにふきとって貼り付けましょう。
「既販品リサイクルシール」の有効期限は、2年3か月です。したがって、リサイクルシールが無いからと言って早くから購入してしまうと、耐用年数以前に有効期限が切れてしまうと意味をなさなくなるので注意をしてください。廃棄を決めてから、リサイクルシールを購入しましょう。
せっかく設置した消火器でも、使用期限が過ぎてしまったり劣化が進んでいたりすると火災の時に役だたないばかりか破裂してケガをしてしまう可能性もあります。
消火器の処分方法
さて、ここからは実際に消火器の処分をどんな風にして進めるのかを説明していきます。特定窓口と指定引取場所での消火器の処分費用は、次の章で説明しているので目を通してください。
特定窓口に処分を依頼する
全国で約5,060ヵ所ある消火器の販売代理店や防炎・防犯事業者は「特定窓口」と呼ばれ、消火器の引き取りを依頼できます。引き取りに応じていない所は持込となるため事前に確かめておいてください。
指定引取場所へ持ち込む
一方、消火器メーカーや廃棄物処理業者は「指定引取場所」と呼ばれ全国には約210ヵ所あります。数自体が少ないのですが、最寄りに指定引取場所がある方は持ち込んで回収をしてもらいます。
特定窓口と指定引取場所は、「消火器リサイクル推進センター」のホームページで検索できます。
複数まとめて処分するなら特定窓口に相談または不用品回収業者を利用する
多数の消火器がある場合には、持込をするにも難しさがあるでしょう。まずは特定窓口を検索して相談してみてください。消火器リサイクルセンターのホームページからリサイクルシールを購入する場合には、上限が5枚と定められているため、5個以上の消火器があれば分けて注文することになります。5個以上の消火器があっても引取ができる特定窓口を見つける方が、手間がかからないケースもあるでしょう。
あるいは、事業者の廃棄物の資格を持っている不用品回収業者に依頼すると、複数の消火器を持込をすることなく一度にまとめて回収してもらうと手間もかかりません。ちなみに、不用品回収業者の費用は1本2,000~3,000円ですが、たくさんある場合には手間がかからないというメリットがありますね。まとめて依頼することで割引もあり得るでしょう。
新規購入時の引取サービスを利用する
消火器を購入する際に、引取サービスを利用することもできます。通販サイトでも引取サービスに対応しているところも多いのですが、配送中に誤噴射も懸念されることで消火器の種類や状態に決まりがあるので熟読しましょう。新規購入1本につき廃消火器1本を引き取るサービスが基本ですが、10本以上の引取にも有料にて応じている通販サイトもあります。
一般家庭ならゆうパックでの回収も利用できる
一般家庭の住宅用消火器は、ゆうパックでの回収も利用できます。
- HATSUTAエコサイクルセンターに回収を申し込む
- ゆうパック伝票が届く(代引きで6,270円の料金を支払う)
- 排出者が消火器を梱包して郵便局に持参するか、ゆうパック回収を依頼する
- 再資源化の拠点へ届く
消火器をリサイクルする際の料金
リサイクル料金
消火器を処分する際には、リサイクルシールが無いものはリサイクル料金を支払ってリサイクルシールを入手しましょう。
- 特定窓口
- 指定引取場所
リサイクル料金は、業者で異なるオープン価格となっています。なぜならば、独占禁止法の関係があるためです。持込をする前に料金を確認しておきましょう。概ね小型消火器で1枚550円と設定しているところが多くなっています。
消火器リサイクルセンターのホームページからの購入は、小型消火器の場合1枚600円です。送料や代引き手数料も加わるので、注意してください。
収集運搬・保管費用
特定窓口で引取を依頼すると、リサイクルシール代と収集運搬・保管費用がかかります。
- リサイクルシール代550円+収集運搬・保管費用800~2,000円
料金が変わって来るのは、回収場所までの距離にも影響されるためです。
消火器の処分前の準備
消火器を処分に出すというと、薬液が入っていることから難しいと感じる方も多いでしょう。安心して処分してもらうために、捨てる前の準備を紹介します。
中身は出さなくても回収できる
薬液を出さなければと思うと、悲惨した場合の処理にも不安があるでしょう。安心してください。消火器の中身は、出さないままで回収ができます。
安全栓・ストッパーの確認をする
消火器には、安全栓のあるものとないものと2種類があります。運搬や収集の際に薬剤が飛散したり漏えいしたりする可能性もあるので、以下を注意しておきましょう。
- 安全栓あり ストッパーが固定されるように正しい位置にセットする
- 安全栓なし ストッパーをテープでしっかり固定るする
- 中身が漏れている時には消火器ごと袋に入れる
老朽化した消火器は薬液の放射や解体を絶対にしない
定期的な消火器の外観や使用期限を確かめておかないと、気がついた時にはすでに老朽化してしまうこともあります。以下のような状態で薬液の放射や解体をするのは大変危険ですので絶対にしないでください。
- 本体のサビ・破損・変形
- 劣化や腐食が著しい
- レバーやハンドルが破損している
- ホースが外れている
老朽化していない消火器は火災予防訓練で使う
耐用年数を過ぎてはいるものの老朽化をしていない消火器なら、火災予防訓練で使うこともあります。訓練時、実際に消火器の操作を見たり体験したりするのはたびたびあることではないですね。非常に火災予防の意識を高めることに役立つでしょう。
まとめ
消火器の処分は、特定窓口や指定引取場所などを活用することで悩まずに済むようになります。消火器の処分はリサイクルシールの添付と収集運搬・保管費用がかかることを念頭においておけば、最寄りで持込または引取を利用しやすくなるでしょう。消火器の処分にお困りの方は、説明した方法にしたがって安全に進めて行きましょう。
消火器の処分を機に、消火器の使い方やリサイクルシール・使用期限を確かめる意識を持つことで、防火の意識をさらに高められます。いざという時に、正常に消火できるようにするためにも消火器の状態は定期的に確かめておきたいものですね。