昔より少ないとはいっても、神棚を祀っている家庭や事務所も結構ありますが、処分が必要になった時には「どんな風に扱えば良いのか?」と困ってしまうものですね。神様のいらっしゃる場所だけに、粗末に扱ってはいけないという思いは持っていてもどうすべきなのかまでは分からない方が大半でしょう。
この記事で分かること!
- 神棚の正しい処分方法と費用!
- 神棚を処分する際の3つの儀式!
- 神棚を処分する前の知っておきたいポイント
この記事を読んでもらうと、神棚を処分する際に納得の行く方法が選べるようになります。それぞれの事情で神棚の処分を考えているのなら、気持ちの折り合いがつくように自分に相応しいと思える方法を検討しましょう。後悔しない方法で処分するためにも、より慎重に比べてみることをおすすめします。
神棚の処分は5つの方法で
困ってしまう神棚の処分ですが、5つの処分方法があります。早速、やり方や費用を詳しく説明していきましょう。
神社に依頼をする
神社に依頼するのは、神棚の処分で一番安心できる方法です。神棚を崇めてきているだけに、思いが強いこともあるでしょう。神社では供養を済ませてくれるので、心に何のわだかまりもなく処分できます。
- 神社へ神棚を持ち込む
- 神社へ神棚を郵送する
祈祷、御札返納、お焚き上げという儀式が執り行われますが、詳しくは神社で行う神棚の処分にまつわる儀式でご覧ください。
- 費用 祈祷をしてもらう際の相場 5,000円
(郵送する場合には送料も必要)
自治体のゴミ回収で出す
神棚を処分する際に故人の考え方で大きく異なってきますが、一般的には祈祷を行ってもらうのが理想的です。けれども、自分たちできちんと手を合わせて感謝の気持ちを持てばそのまま自治体のゴミ回収を利用してもいけないこともありません。
自治体によって、神棚の処分は可燃ゴミ・不燃ゴミ・粗大ゴミと定められているのでルールにしたがってください。念のため、自治体で神棚をゴミとして受け付けているかも確かめておくのがおすすめです。
ゴミステーションに神棚の形のままで置くというのも、人目があり気が引けるという場合には、ゴミ処理施設へ自ら持ち込むのも良いでしょう。
- 費用 粗大ゴミなら数百円程度かかる
神棚の販売店に引取を依頼する
神棚を新しく買い替えを希望する時は、以下のようなケースです。
- 汚れや傷み、変色してしまった
- 気分を新たにしたい
- 自宅の新築やリフォームをした
買い替えを検討しているなら、神棚の販売店で引取もしてもらえるので手間がかかりません。街の販売店だけではなく、通販サイトでも引取をしているところも見つけられます。
- 費用 無料で引取してくれるところもある
神棚の販売店なので、買い替えの際に処分方法や手順で迷っていることがあれば相談もできるので頼れるでしょう。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理をする際に遺品の一つとして、神棚の処分が必要になることも珍しくありません。他の遺品整理と同時に遺品整理業者に任せられるので、新たに神社や販売店へ問い合わせをすることも不要です。
- 費用 遺品整理を依頼しているので追加費用無しで依頼できることが多い
ただ、供養を何もしないままで処分を進めるのは心配になるという方もいるかもしれません。その際には、遺品整理業者では合同供養を執り行っていることもあるので、相談してみましょう。個別に依頼したい場合には、神社へ依頼して御祈祷だけでも済ませておくのがおすすめです。
不用品回収業者へ依頼する
不用品回収業者に依頼する方法もあります。神棚は、当然高い位置にあり取り外す際に高いところに上れないという方もいるでしょう。特に、大型の神棚は重さもそれだけあるため、下す際に落としたりケガをしたりしてしまう可能性もあります。
その点、不用品回収業者に依頼すると取り外しからすべてお任せできるので不安はありません。もちろん、御札は自分でお焚き上げに持参することもできるので、心配も無くせるでしょう。
何より、即日で神棚を処分したい事情がある場合でも、不用品回収業者なら間に合わせてくれます。
- 費用 数千円・神棚だけに丁寧な扱いをする業者を探す
神社で行う神棚の処分にまつわる儀式
神棚を神社で処分をしてもらいたい希望がある場合には、3つの儀式を把握しておくようにしましょう。神社は、初詣や大祭の際に参拝するものの儀式については詳しくないという方なら事前に依頼の仕方が分かると安心できるでしょう。
祈祷をしてもらうには?
- 神社の祈祷所へ神棚を持参する
- 処分するための祈祷をまず依頼する
- 案内された祈祷所などで祈祷の立会いをする
このような流れで祈祷を行ってもらいます。
神社に御札を返納するには?
神棚には、御札が祀られています。この御札に魂が宿っているというのが、神道の考え方です。
そのため、御札を神社へ返納してからは神棚の扱いは神様が宿っているわけではないので、こだわる必要がないととらえることもあります。
御札を返納するには、「御札返納所」または「古札納所」へ行きます。一般的なイメージでは、初もうでの際に古い御札やお守りを持参するのと同じように神棚の御札を返納するようにしましょう。
お焚き上げをしてもらうには?
御札を返納すれば、神棚そのものを処分しても問題ないという考えもある一方、これまで心のよりどころだっただけに、ゴミとして廃棄するのはどうしても気になってしまう方もいます。神棚本体をどう処分するのに必ず儀式が必要ではないものの、粗末に扱うような気持ちがして落ち着かないと考える人も多いでしょう。
その場合には、神社でまで「お焚き上げ」を依頼しましょう。お焚き上げが可能な神社がみつからない場合には、神棚販売店やお焚き上げサービスを探してみましょう。お焚き上げサービスは、全国対応できるところもあるので利用はしやすい点もあると考えられます。
神棚の処分前にぜひ知っておいてもらいたいポイント
雑な扱いはできないと思う方が大半でしょうが、どんな風に神棚を扱えば良いのかは分かりづらい方も多いものです。処分前に、ぜひ知っておいてもらいたいポイントがあるので目を通しておいてください。
神棚を処分する前の手順
普段はひとくくりにして神棚と呼んでいますが、3つの内容で構成されています。まずは、お宅の神棚がどのように構成されているのかをもう一度確かめてみてください。
本体 | 神棚 |
神具 | 榊立・瓶子(酒を入れるもの)・水玉(水を入れるもの)・白皿(左に塩・右に米) |
オプション | 榊(ご神木)・神鏡・灯ろう・三宝(神具をお供えするもの)・棚板 |
- 神棚を処分する前にお詣りする
- 米・水・塩・榊を神棚からおろす
- 神具や棚板は自治体の分類に寄り処分する
- 御札を神様に返納する
- 希望によりお焚き上げまで依頼する
気持ちの整理がついてから処分をしましょう
神棚を処分するのには、買い替えをする以外では不要になり処分する時もあるでしょう。神棚は、いつも神様を祀っていたところなので他の不用品のように簡単に処分を決めるのは避けましょう。いつも守ってくれていた場所だけに、処分には抵抗感もあるのも当然です。
引越しや空き家となった実家、遺品整理などの事情で処分をしなければならなくなった時にも、気持ちの整理ができてから自分の希望に合った方法を絞り込んでみてください。
自分なりに納得の行く処分方法を選びましょう
神棚の処分方法は、お伝えしたように5つの方法から選べます。自分が神棚に対してどんな思いを持っているのかを落ち着いて考え、納得の行く方法を選ぶようにしましょう。
- 神様の宿る場所であり儀式に則って処分を進めたいと思う方
→祈祷を受けるのが向いています。 - 神棚を扱うのにやや神様のことが気がかりになってしまう方
→御札返納を行うのがおすすめです。
その後のお焚き上げをするのか、ゴミ回収に出すのか、業者に依頼するのかはそれぞれの事情で相応しいやり方を選ぶと良いでしょう。 - 神棚の処分をするのにそれほど心がとがめる気持ちがしない方
→自分なりにお詣りを済ませそのまま廃棄処分でも構わないということになります。
料金は処分方法次第で異なる
神棚の処分にかかる料金は、神社に依頼した場合の祈祷とお焚き上げを合わせて5,000円ほどかかります。神棚販売店や遺品整理業者だと無料で受け付けてくれるところもあるので、後者がお得だと思われるかもしれません。
ただ、安心して処分ができるかどうかを考えた時には、やはり祈祷を受けたいという気持ちがあれば済ませるのが理想的だと言えます。費用の安さで選ぶというよりも、自分の気持ちに折り合いをつけられるかどうかも神棚の処分では大切な点です。
まとめ
神棚のそれぞれの処分方法や費用がわかると、神棚への感謝の思いを反映できる方法は人それぞれに違うでしょうがきっと自分に合う方法を見つけられるでしょう。神棚の処分方法や儀式のやり方、処分前のポイントを把握してから、処分に取り掛かるのが大切なことです。もし、知らないままで早急に処分をしたとなると粗末な扱いをしたのではなかったかと後悔することにもなり兼ねません。自分の希望や思いを安心して託せるやり方を選べば、まず問題なく処分できるようになるでしょう。