「引越し先に仏壇を置く場所がない」「仏壇を管理していた家族が亡くなり、誰も引き継げない」などの理由から、仏壇を処分したいという方は少なくないのではないでしょうか。しかし、仏壇は亡くなった先祖や祖父母・親などの家族を祀っているものであるため、粗大ごみに出すには抵抗を感じる方もいるでしょう。そんな方に、仏壇を処分するのに最適な方法をご紹介します。
不用品回収業者で仏壇の回収は可能!
不用品回収業者の存在は知っていても、宗教的なものを回収してくれるのかわからないという方もいるかもしれませんが、不用品回収業者が仏壇を回収することは可能です。
しかし、仏壇の場合は宗教に関わるものですので、一般的な不用品とは違い処分の前に供養をする必要がある点には注意が必要です。供養をする方法については、後ほど詳しく解説します。
また、次にご紹介するように、ごく稀に回収を断られる場合もあります。
ごく稀に断られる場合もある
ほとんどの不用品回収業者は仏壇の回収を引き受けていますが、ごく稀に断られる場合もあります。その理由は主に次の三つです。
業者自身で供養ができないから
浄土真宗以外の宗派では、仏壇を処分する際には「魂抜き」「お性根(しょうね)抜き」といい、祀っている方の魂を抜くという「閉眼供養」をする必要があります。これは、お寺に依頼して儀式を行ってもらわなければならないもので、素人ができるものではありません。
また、浄土真宗の仏壇を処分する場合は「遷座供養」(せんざくよう)といい、お寺のお坊さんがお経を読むという儀式をする必要があります。
このような供養をしてくれるお寺と繋がりがなく供養をすることができないため、回収を断るというケースがあるのです。
業者が仏教徒なので回収したくないから
不用品回収業者の中には、敬虔な仏教徒であるため仏壇の処分には抵抗があるという人もいます。この場合は、いくら回収をお願いしても断られてしまうでしょう。他にも仏壇を回収している業者はたくさんいますので、業者が仏教徒であるという理由で断られたら、他の業者を探しましょう。
宗教に関わる不用品は扱いたくないから
宗教的なものの処分に関して専門的な知識がなく、宗教に関するものは引き受けたくないという業者もいます。それでも回収をお願いするとしぶしぶ引き受けてくれる業者もいますが、そのような業者に依頼すると供養なしでそのまま処分されてしまう恐れがあります。問い合わせの時点で引き受けたがらなかったり、専門的な知識がなさそうだったりする場合はこちらからお断りする方が無難です。
自宅まで回収に来てくれる
仏壇を粗大ごみとして出そうと思っても、数十キロの重さがあるのが一般的であり、自分で持ち運びをすることは大変危険です。重すぎて持てない場合や、持てたとしても怪我をする場合がありますので、自分で持ち運ぼうとするのはやめた方がよいでしょう。
また、粗大ごみとして出すには家の前に置いておく必要がありますので、ご近所さんの目が気になるという方もいるでしょう。仏壇を外に放置することに罪悪感を抱くという方もいるのではないでしょうか。
しかし、不用品回収業者は自宅まで取りに来てくれ、仏壇のある部屋まで入り持ち運びをしてくれますので、安全安心に回収をしてもらうことができます。また、スピーディーに回収してくれますので手間もかからず、ご近所さんの目が気になるということもありません。
家の前へ移動や梱包などをしておく必要もなく、引き取り時に立ち合いをすればよいだけであるため、楽に処分をすることができます。
業者によっては供養もする
先ほども述べたように、仏壇を処分する前には供養をしなければなりません。浄土真宗以外の宗派では「魂抜き」「お性根抜き」をする「閉眼供養」、浄土真宗では「遷座供養」が必要です。
業者によっては、お寺と提携しておりこれらの供養まで請け負うところもあります。その場合は、ただ仏壇を引き渡せばよいだけであるため、大変便利です。
仏壇を回収する場合、サイズにもよりますが費用はだいたい5,000円から10,000円ほどが相場です。しかし、供養も依頼する場合、お寺への仏壇の運搬費用、供養の費用、お布施などで費用は20,000円以上になることが一般的です。
不用品回収業者に仏壇を回収してもらう際の注意点
不用品回収業者に仏壇を回収依頼する際には、いくつかの注意点があります。仏壇特有の注意点もありますので、しっかり守るようにしましょう。
事前に見積りし料金を把握
まずは見積を依頼し、どのくらい料金がかかるのか把握する必要があります。見積を依頼する業者の目安は3社です。3社くらいに見積を依頼し、その中で安い見積を出した業者に依頼するとお得に処分できます。
供養してくれる業者か確認する
仏壇を回収する業者は、供養を請け負っている場合と請け負っていない場合があります。依頼する際には、まず供養を請け負っているかを確認するようにしましょう。
自分で供養を行う必要がある場合も
供養を請け負っている不用品回収業者が見つからなかった場合、供養は自分でする必要があります。自分でお寺に仏壇を持っていき、供養を依頼しなければなりません。
供養したあとは、仏壇は木製の箱として扱えるため、回収を引き受けてくれる業者は多いでしょう。供養後の仏壇を回収してほしい場合は、供養済みであることを伝えるようにしましょう。
位牌やご本尊は捨てずにお寺で供養
仏壇に祀っていた位牌やご本尊も、浄土真宗以外の宗派では供養をする必要があります。「仏壇さえ供養すれば大丈夫」と自己判断して位牌やご本尊を捨てることのないようにしましょう。
自分で供養する場合は、仏壇と一緒に位牌やご本尊もお寺に持っていき供養してもらいます。業者が供養を請け負っている場合は、回収時に位牌やご本尊も渡すようにしてください。
浄土真宗の場合は、位牌はなく「過去帳」という亡くなった先祖の名前や亡くなった年月日を記載したものが位牌の代わりのようなものです。過去帳は遷座供養し、その後はお焚き上げするのが一般的です。浄土真宗の場合、過去帳の供養は必須ではなく、燃えるごみとして捨てることも可能ですが、過去帳に思い入れが強いという方は供養をするようにしましょう。
仏壇の中の小物や書類などを取り出しておく
仏壇には引き出しや小物入れがいくつもあります。引き出しには仏具、故人の形見、大切な書類、貴重品などを入れている方も多いでしょう。引き出しや小物入れなどを全てチェックし、大切なものが入っていたら必ず取り出しておくようにしましょう。
また仏壇には「隠し扉」や「隠し引き出し」があるタイプもあります。祖父母などの家族が、このような目立たないところに現金や通帳を入れておくこともあることですので、あらゆるところにものがないか見ておく必要があります。
不用品として仏壇の回収はできる!
仏壇は不用品回収業者に回収依頼をすることができます。中には供養まで請け負っている場合があるので、その場合は仏壇、位牌、ご本尊を引き渡し、それで終了です。
または、お寺に自分で依頼し供養をしてもらったあと、不用品回収業者に回収を依頼することもできます。
しかし、自分でお寺に依頼して供養すると手間がかかり大変です。供養まで請け負ってくれる業者を選んだ方が楽に処分をすることができるため、おすすめです。