遺品整理

遺品整理は不用品回収業者か専門の業者が良いのか?

遺品整理は遺品を片づけて不用品は処分することになりますが、その作業は不用品回収業者と専門の業者のどちらに依頼するのが良いのでしょうか?

今回は遺品整理を不用品回収業者・専門の業者に依頼する場合、どの作業まで頼めるのかなど解説していきます。業者選びに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

遺品整理を不用品回収業者に依頼する場合

遺品整理を不用品回収業者に依頼すると、部分的な作業のみお願いすることになります。

遺業者に依頼すれば色々な作業を代行してもらえると思ってしまいますが、遺品整理を不用品回収業者に頼む場合はそうではないので注意しましょう。

遺品で廃棄する物の回収

遺品整理の依頼で不用品回収業者にお願いできる作業は、主に遺品で廃棄する物の回収作業です。不用品回収業者の仕事は廃棄物を回収して処分することであり、遺品整理の作業部分で不用品回収業者が関われるのは要らない遺品を回収するのみになります。

不用品回収業者に遺品整理を依頼する際は、細々とした作業はお願いできないと理解して、不用品となった遺品の引き渡しだけ頼める相手というイメージを持った方が良いです。

遺品整理の作業をまるごとお願いできると期待していると、ちょっとがっかりしてしまうかもしれません。

不用品の回収以外の作業は不可

遺品整理の専門業者を兼業している不用品回収業者なら、プランなどで不用品の回収以外の作業も依頼できます。しかし、不用品回収業者としてのみ活動しているところだと、不用品の回収以外の作業は基本的には不可となります。

遺品整理で大変な分別作業を不用品回収業者にしてもらいたくても、廃棄物を回収して処分する作業だけしか請け負ってもらえません。不用品回収業者への遺品整理の依頼を検討するなら、その点をよく考えてから決めることをおすすめいたします。

遺品整理を専門業者に依頼する場合

遺品整理の専門業者に依頼する場合は不用品回収業者とは違い、廃棄物の回収以外の作業も依頼できます。遺品整理の一連の作業を代行してもらえるので、依頼する側にはあまり負担がかかりません。

遺品整理業者の基本的な作業内容

遺品整理業者の基本的な作業内容は、整理作業からはじまり室内の掃除まで幅広いです。代行してもらえる作業について、以下の通りになります。

  • 遺品を一つ一つチェックし、要る物と要らない物に仕分ける分別
  • 要らない遺品で価値のある物の買取
  • 遺品で不用品となった物のリサイクル・廃棄物回収
  • 作業後の現場の清掃

遺品の分別は依頼者に確認しながら行うので、業者が勝手に判断してすることはありません。依頼者が作業当日に現場立ち会いできない事情があるときは、後でチェックできるように仕分けた遺品をリスト化してくれます。

リサイクル・回収作業は基本的な作業内容に含まれますが、注意点として処分費用は依頼者の負担です。

遺品整理業者は便利なオプションサービスが豊富

有料なので追加料金が発生しますが、遺品整理業者のプランには便利なオプションサービスが豊富です。オプションサービスには次のようなものがあります。

  • 故人のパソコンやスマートフォンのデータチェック
  • 仏壇や人形をその他の遺品に関する供養
  • 現場以外の庭や風呂などのハウスクリーニング
  • エアコンの取り外し作業

デジタル機器はロックがかかっていることが多いですが、遺品整理業者には取り扱いができるプロがいるので解除してもらえます。仏壇や人形は廃棄物として出しにくい遺品なので、代わりに業者が供養してくれるなら依頼者も安心できます。

遺品整理業者は不用品回収業者よりも基本のサービスは充実していますが、オプションサービスをつけるとよりサービスが良くなるのでおすすめです。

遺品整理をそれぞれに頼んだときの費用などは?

遺品整理を不用品回収業者・専門業者、それぞれに頼んだときの費用はどのくらいになるのでしょうか?

依頼した場合に必要となる金額や作業時間について、解説していきます。

不用品回収業者(費用や作業時間)

不用品回収業者は人件費、運搬費、廃棄する手数料で金額が決まりますが、処分する廃棄物の量で案件ごとの費用に違いがあります。人件費と運搬費の相場は、以下の通りです。

  • 人件費(スタッフ1人につき1時間にかかる費用) 3,000円~5,000円
  • 運搬費(軽トラ~2tトラック使用)3,000~8,000円

人件費は重い荷物を持つほど高くなり、運搬費もトラックが大きくなるほど高くなります。廃棄する手数料は自治体により金額が設定されていて、故人の遺品整理で出る廃棄物は家庭ごみのため一般廃棄物扱いとなり、相場は10㎏につき300円ほどです。

作業にかかる搬出する量によりますが、目安として1~2時間前後になります。

専門業者(費用や作業時間)

専門業者の基本料金は、部屋の間取りや遺品の量により相場が決まっています。基本料金の相場は、以下の通りです。

  • 間取り1R~1DKの場合(スタッフ1~2名):30,000円~120,000円
  • 間取り1LDK~2LDKの場合(スタッフ2~5名):70,000円~300,000円
  • 間取り3DK~4LDK以上の場合(スタッフ6~10名):150,000円~600,000円

ただ、トラックを駐車する場所が現場から遠かったり高層階マンションが現場だったりすると、追加の費用を取られることもあります。

オプションサービスの料金については業者ごとで異なる場合があるため、利用する際は聞いておくようにしましょう。

作業にかかる時間は間取り1R~2LDKなら2~4時間ほど、間取り3DK以上なら8時間前後です。現場がごみ屋敷状態で遺品の量が多いと、想定される時間よりかかる可能性があります。

不要品回収業者と遺品整理業者の大きな違いとは?

不用品回収業者と遺品整理業者の大きな違いは何なのかと言うと、仕事の目的自体が違うところになります。それぞれが持っている仕事の目的は、まさに業種名が関係しています。

専門業者は「遺品整理」を目的にしている

遺品整理の専門業者は依頼者に代わって、故人の遺品を整理することを目的にしています。故人や依頼者を思いやり遺品をただの物として扱わず、一つ一つを大切に扱い整理していきます。

専門業者のサービスが充実しているのも、依頼者の負担を軽減できるようにとの業者側の心遣いが含まれます。依頼者が不安を感じず遺品整理を任せられる信頼感があるのが、専門業者の持つ大きなメリットです。

不用品回収業者は「廃棄物の処分」を目的にしている

不用品回収業者は依頼された廃棄物を回収し処分することを目的にしているため、遺品整理では遺品の不用品を引き取るのみになります。遺品整理の依頼を受けても不用品回収業者は、「廃棄物の処分」を請け負う認識で作業にあたります。

専門業者のように遺品を大切に扱う意識が少ないため、回収時の遺品の取り扱い方は丁寧ではありません。

不用品回収業者を上手に使うポイント

遺品整理において不用品回収業者を上手に使うポイントは、不用品の処分だけをお願いすることです。廃棄物はすべて処分してもらわずに、特定の物だけ頼みましょう。

遺品の分別は自分たちでして廃棄物だけ回収してもらう

遺品整理の分別作業は自分たちで行い、その中で出た不要品だけ回収してもらいます。不用品回収業者は遺品の分別作業は元々頼めないので、自分たちで整理しておくことが必要です。

廃棄物を処分するのは手間がかかるため、その面倒な作業だけ不用品回収業者に依頼しましょう。

処分費用の安い廃棄物だけ頼む

廃棄物は量に応じて単価が決まっていて、重量が重い物ほど手数料が高くなってしまいます。冷蔵庫やタンスなど重量のある不要品などは不用品回収業者に出さず、費用の安い重量の軽い物だけ頼むのがおすすめです。

重量のある物は定価が高い物も多いので中古品にも需要があり、リサイクル業者に出せば買取ってもらえます。

遺品整理をすべて業者に頼みたいなら専門業者

遺品整理の分別から廃棄物回収まですべて業者に頼みたいなら、専門業者を利用するのが一番の方法です。専門業者には「遺品整理士」の資格を持つプロが在籍しているので、作業を頼むとテキパキと進めてもらえます。

専門業者に依頼するときの良い探し方として、複数の業者に訪問見積もりしてもらい比較しましょう。比較して探してみることで、依頼者の希望に合う相手が見つかりやすくなります。

遺品整理の依頼件数は年々増えてきている傾向があり、利益目的で新規参入している会社も多いです。中には遺品整理の専門業者と名乗っていてもスキルが足りない場合があるので、専門業者のチェックは怠らないようにしましょう。

まとめ

遺品整理を不用品回収業者に依頼しても対応してもらえるのは、遺品で出た不用品の回収だけになります。専門業者は分別からすべて代行してもらえますが、不用品回収業者に回収作業以外は頼めないので注意しましょう。

遺品整理で不用品回収業者を利用する際は、処分費用の安い廃棄物の回収だけを頼み上手に使い分けるのがおすすめです。